みちのくより愛をこめて 0007

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秋田県横手市の第58回梵天(ぼんでん)コンクールが16日、市役所本庁舎前で行われる

梵天ずらり、頭飾りの出来栄え競う 横手市でコンクール


 秋田県横手市の第58回梵天(ぼんでん)コンクールが16日、市役所本庁舎前で行われた。町内会や企業などから計32本が参加し、頭飾りの出来栄えなどを競った。梵天は17日、同市大沢の旭岡山神社に奉納される。

 

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  横手市梵天は豪華絢爛(けんらん)な頭飾りで知られ、今年はえとの未(ひつじ)をあしらったもののほか、武将や寺院をかたどったものなどが目を引いた。小学生らの小若梵天15本とえびす俵5基も披露された。

  横手市観光協会の主催で、審査員8人がアイデアや製作技術、頭飾りの美しさ、全体のバランスなどを審査した。最高賞の特選(県知事賞)には永建会が7年連続で輝き、秋田魁新報社賞には神明町青年会が選ばれた。

 

かけ声・ほら貝の音も勇ましく、大小合わせて約50本のぼんでんがそろいます。「梵天コンクール」は頭飾りの美しさを競います。17日の奉納では横手地域局前を出発し、市内を通りながら奉納場所である旭岡山神社へと向かいます。激しい奉納のシーンはかまくらの「静」に対し「動」を思わせる勇壮さです。

 
梵天コンクール:県知事賞に永建会 個性的な32本、できばえ競う−−横手 /秋田


 
 神社に奉納する梵天(ぼんでん)の頭飾りのできばえを競う「梵天コンクール」が16日、横手市役所本庁舎(同市中央町)前のおまつり広場であった。今年で58回目。
   
      
 だるまやみこしなど華やかで個性的な頭飾りの付いた、高さ5メートルを超える梵天32本が各町内の若衆らに担がれて勇ましく広場に集結。
審査の結果、県知事賞=永建会▽県観光連盟会長賞=石町信和会▽横手市長賞=羽根山−−などが決まった。

 コンクールの終了後、若衆らは梵天を担いで市内に繰り出し、各商店前で梵天歌を披露、ご祝儀をもらった。「商売繁盛」の声が至る所に響き、まちは活気に沸いた。

 梵天は同広場を17日午前10時に出発。約3キロを歩き、旭岡山神社本殿に先を争って激しく奉納する。


★横手のぼんでんの概要

「ぼんでん(梵天)」は、豪華な頭飾りが特徴的な横手の小正月行事です。約300年の歴史を誇り、毎年2月17日に旭岡山神社へ奉納されます。また前日の2月16日には、頭飾りの出来栄えを競う「ぼんでんコンクール」が開催されます。雪国横手では、「ぼんでんが終わると春がやってくる」と言われています。
 
横手のぼんでんの特徴は、他に類を見ないほど大型であることと、豪華絢爛な頭飾りにあります。各町内や職場の若者たちによって奉納されるぼんでんには「五穀豊穣」「町内安全」「商売繁盛」など様々な願いが込められ、先陣を競って押し合う様子は壮観です。本殿を目がけてぼんでんが勢いよく突っ込み、さらに激しくもみ合って熱気は最高潮に達します。
 
ぼんでんはかつて旧暦1月17日に奉納されていましたが、昭和27年より新暦2月17日に改められ、「かまくら」とともに雪まつりとして観光行事になりました。昭和34年より、奉納前日の2月16日に頭飾りの出来栄えを競う「ぼんでんコンクール」も行われています。昭和55年からは、主に地元の小学生が奉納する「小若ぼんでん」も参加するようになりました。
 
そろいの半てんを着た若者たちがほら貝を吹きならし、“ジョヤサ、ジョヤサ”のかけ声とともに進む様は、「静」のかまくらと対照的な「動」のまつりを感じさせます。
 
ぼんでんの歴史
ぼんでんの起源については、文政四年(1821年)の神官宅火災で古い記録が焼失し定かではありませんが、横手のぼんでんは約300年の歴史があるといわれています。
 
弘化二年(1845年)、横手城主戸村十太夫の催しで全町あげての巻狩が中山で行われ、それには火消しや火防組も参加したようです。正月16日の夜中から巻狩が始まリ、17日の夜明けには獲物を持って引き上げました。

火防組は「まとい」を先頭に、装いも勇ましく旭岡山神社に引き上げ、無火災祈願をして解散したといわれています。この「まとい」の名残が、今のような大型のぼんでんとして受け継がれているものとされています。

嘉永の頃(1848年~1853年)、八軒町(現神明町)の人が紙の小型のぼんでんを奉納したのがぼんでんの始まりともいわれていますが、はっきりしていません。しかし嘉永年間のぼんでんの制札が神社の拝殿に残っているので、この当時ぼんでんの奉納があったことは事実のようです。
 
鍛冶町に旭岡山神社の信者たちで作った講中があって、草創からぼんでんを奉納したようです。この講中は神社から特別待遇を受け、講中の奉納ぼんでんは神社に置いたままにし、制札だけ神官宅へ持参したようです。鍛治町のぼんでんが来ると、他のぼんでんは敬意を表して道をあけて通したといわれています。
 
秋田県民俗語彙事典」には、ぼんでんの由来として以下の様に記されています。
 
『ボンデンの由来を単なる棒手から出たとするものとする棒手説、形状から原始宗教のシンボルなどとする説、仏寺の施餓鬼供養の際に使用する五輪塔状の幣束であるとする仏事幣束説などがあった。
 
ボンデンは幣束の派生物であり、それがボデと称され、修験道の幣束の大梵天王と結びつき、現在のボンデンとなった。ボンデンを梵天とあて字で書くまでになったのである。
 
岡山神社宮司は「梵天は、もともと祭りにあたって神霊が降臨するための標示物、依代(よりしろ)としての「ボデ」より出た言葉であり、それ自体神霊の宿れるものであって、大きなご幣形のものを意味するものである。
 
幣は神々に献ずる最上の礼物を意味し、元来、絹、木綿、麻等を献ずることになっていたものであるが、時代の変遷とともに今日のようなさまざまな布等に変わってきた。』
 (秋田県民俗語彙事典)
 
ぼんでんは、かつては旧暦1月17日に奉納されていましたが、昭和27年からかまくらとともに新暦2月17日に改められ、昭和29年より雪まつりとして観光行事になりました。昭和34年より、2月16日にぼんでんコンクールも行われています。また昭和55年からは、主に地元の小学生が奉納する「小若ぼんでん」も参加するようになりました。  


梵天本体は4mの竿の先に直径90cmの籠を取り付け、「さがり」とよばれる色鮮やかな布や、直径15cmほどの太い「鉢巻」が結ばれます。また、本体の上には豪華な頭飾りが乗せられ、これがの大きな特徴となっています。
 
<さがり>
 友禅、絹、羽二重などの布地で作ることが最も多く、麻糸や真綿、稲穂などで作ることもあります。色は白、赤、ピンク、藍など様々で、近年は柄物も多くなってきました。昔は、子どもが丈夫に育つように、さがりの布地で作った着物を着せる風習がありました。
 
<頭飾り>
 頭飾りは、従来は町章や団体の徴章などを模したものが多かったようですが、現在は干支に関するものが圧倒的に多くなっています。明治の頃は、針金や竹に緑の布を縫い付けて3本立てる「芭蕉梵天」がほとんどでしたが、現在は発泡スチロールなどで、軽くて美しい飾りを競うようになりました。

 

■横手のぼんでんの基本情報
開催日 毎年2月16日・17日
  2月16日 ぼんでんコンクール
 2月17日 ぼんでん奉納(旭岡山神社梵天奉納祭)
場所 ぼんでんコンクール 横手市役所横手庁舎前
ぼんでん奉納 横手市役所横手庁舎前出発~旭岡山神社横手市大沢字上庭当田地内)
交通 JR横手駅より徒歩約15分
 秋田自動車道横手ICより車約10分
料金 無料
問合せ先 教育委員会文化財保護課 電話 0182-32-2403
産業経済部観光物産課 電話 0182-32-2119
 (社)横手市観光協会 電話 0182-33-7111
URL (社)横手市観光協会 http://www.yokotekamakura.com/