大熊中3年渡辺涼夏さん(15)の作品「おおちゃん小法師」が最優秀作に選ばれる
復興願う「おおちゃん小法師」大熊中生デザイン
大熊町マスコットキャラクターをモチーフにした「おおちゃん小法師」
東京電力福島第1原発事故で全町避難した大熊町は、会津若松市に仮役場を置いている。多くの町民が避難した会津地方の郷土玩具の小法師に、町民がおおちゃんを絵付けして、支援を受けた関係者に感謝と復興の誓いを込めて届ける。
デザインは全国から200点の応募があり、大熊中3年渡辺涼夏さん(15)の作品が最優秀作に選ばれた。渡辺さんの原案を基に、にっこりとほほ笑むおおちゃんが、町特産のナシとサケを持った形にした。
渡辺さんは「町のみんなが笑顔でいてほしい」とデザインに込めた思いを語った。おおちゃん小法師は、ローマで3月11日に始まる「起き上がり小法師展」に出展される。
小法師づくりは、野沢民芸品製作企業組合(福島県西会津町)が協力した。
■大熊町民が“にっこり笑顔”に 「おおちゃん小法師」完成
大熊町マスコットキャラクター「おおちゃん」をモチーフにした起き上がり小法師(こぼし)「おおちゃん小法師」を作るため、町が一般公募で選んだデザインを基にした実物が完成した。町は4日、町役場会津若松出張所で表彰式を行い、考案した大熊中3年の渡辺涼夏さん(15)を表彰した。
にっこりと笑顔を浮かべたおおちゃんと、町特産の梨とサケが合わせて描かれたデザインで、渡辺さんは「誰でも描きやすいように工夫した。町民が笑顔になることを願います」と語った。式では、渡辺利綱町長が「良いデザインで町復興のシンボルにふさわしい。お世話になった人へのお礼に活用させてもらいます」と謝辞を述べ、賞金を手渡した。
■おおちゃん小法師絵付け会のご案内
大熊町のマスコットキャラクター「おおちゃん」と、会津の郷土玩具起き上がり小法師がコラボした「おおちゃん小法師」の絵付け会を開きます。避難を続ける町を支えてくださった方々に感謝を込めて贈ります。ぜひご参加ください。
◆日時と会場
(1) 3月1日(日) 午後1時~
大熊町役場会津若松出張所
(2) 3月7日(土) 午後1時~
大熊町役場いわき出張所
お問い合わせ先
大熊町役場会津若松出張所 企画調整課
フリーダイヤル:0120-26-3844
★大熊町
大熊町(おおくままち)は、日本の福島県浜通りの中央部、双葉郡(1896年以前は標葉郡)にある町。
福島第一原子力発電所(東京電力)の1号機から4号機の所在地である。なお、5号機および6号機は北隣の双葉町に立地している。2011年3月12日から3月15日までに亘って発生した福島第一原子力発電所事故の発生地。
地理
阿武隈山系の東に開けた浜通り地方の中央に位置しており、東は太平洋に開ける。行政上では、北に浪江町と双葉町、西に田村市、南に川内村および富岡町と隣接する。
原発事故
2011年3月11日の東日本大震災では、大熊は震度6強を記録する被害を受けた。この震災に誘発され、2011年3月12日15時36分、福島第一原発1号機で、白煙を伴う水素爆発が発生した。
3月13日以降:原発事故の影響を受けて住民の退避が必至となり、仮役場が設置された田村市船引町船引にある田村市総合体育館に多くの住民が移動・避難した(避難住民・避難場所は他にも散在)。
3月14日:11時1分、プルサーマルを用いている福島第一原発3号機で、黒煙を伴う爆発が発生。
4月3日以降 :上述の仮役場と避難住民は、会津若松市栄町の会津若松市役所追手町第二庁舎へ再移転・再移動した。
4月5日 :移転先にて、大熊町役場会津若松出張所、開設(出張所は、大熊町社会福祉協議会、大熊町商工会を含む)。
4月中旬 :会津若松にて小学校と中学校、幼稚園が開校・開園。(小学校と幼稚園は地元の既存校・既存園を統合した正式名称「大熊町立小学校」や「大熊町立幼稚園」の分校・分園、中学校は既存校の分校である)。
警戒区域指定後
原発事故を受けて、町役場と住民が近隣地域に退避し、2012年12月9日までは除染や瓦礫の撤去作業を行う作業員以外の町民の立ち入りが全面禁止される警戒区域となっていた。
同12月10日午前0時を期して、「帰還困難区域」(従来どおり作業員以外の住民の立ち入り・一時帰宅禁止 全体の96%)と「居住制限区域」「避難指示準備解除区域」(日中の時間帯のみ、町からの許可を得ることを前提に立ち入り・一時帰宅できるが、宿泊不可 これらを合わせて全体の4%)に再編された。