みちのくより愛をこめて 0007

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山形県は「世界に類を見ない超大玉」と銘打ち「4L」サイズのサクランボ果実を目指す 「世界一プロジェクト」を始動

山形サクランボ国際市場へ参入 県が始動
 

 山形県は新年度、生産量日本一を誇るサクランボのブランド強化のため、新たに国際市場への参入を目指す「世界一プロジェクト」を始動させる。世界で主流の大玉品種の開発、国際宅配制度の構築を進める一方、産地拡大を見据えた機械収穫の研究に乗り出す。

 新品種の開発は「世界に類を見ない超大玉」と銘打ち「4L」サイズの果実を目指す。遺伝分析や掛け合わせる親種の選定、優良系統の選抜などに取り組み、数年間かけて実現する。
 世界のサクランボ生産量はトルコ、米国、イランが上位。いずれも3L級の大玉が主流を占める。山形産は粒の大きい「紅秀峰」でも2L級。品質の高さを維持したまま果実を肥大化させることが、国際市場で競争できる必須条件となる。
 世界で山形産の認知度を上げるため、海外向けにモデル販売する農業者の活動を支援する。外国人観光客がサクランボを気軽に持ち帰れるよう、国際宅配に適したパッケージや小口輸出システムなども検討する。
 販路が世界に広がれば産地拡大は不可欠だが、県内の生産現場は高齢化と労働力不足が深刻。県によると、生産農家の約14%が収穫期に人員が確保できず、果実を廃棄しているという。
 世界一プロジェクトは、将来の大規模経営を見据え「サクランボ収穫ロボット」の開発に着手する。基盤技術だけでなく、実がなる位置を一定にするなど、ロボット収穫を可能にする樹形の研究にも取り組む。
 県は全農県本部や山形大、試験研究機関、有識者らでプロジェクト推進会議を発足させる。県園芸農業推進課は「市場開拓へ世界に打って出たい。品質には自信があり、世界に通用する山形産サクランボとして、ブランド価値を高めたい」と話した。

★サクランボまたは桜桃(おうとう)は、バラ科サクラ属サクラ亜属の果樹であるミザクラ(実桜)の果実。食用。

概要
木を桜桃、果実をサクランボと呼び分ける場合もある。生産者は桜桃と呼ぶことが多く、商品化され店頭に並んだものはサクランボと呼ばれる。サクランボは、桜の実という意味の「桜の坊」の「の」が撥音便となり、語末が短母音化したと考えられている。

花を鑑賞する品種のサクラでは、実は大きくならない。果樹であるミザクラには東洋系とヨーロッパ系とがあり、日本で栽培される大半はヨーロッパ系である。品種数は非常に多く1,000種を超えるとされている。

果実は丸みを帯びた赤い実が多く、中に種子が1つある核果類に分類される。品種によって黄白色や葡萄の巨峰のように赤黒い色で紫がかったものもある。生食用にされるのは甘果桜桃の果実であり、日本で食されるサクランボもこれに属する。その他調理用には酸味が強い酸果桜桃の果実が使われる。

殆どの甘果桜桃は自家不和合性があり、他家受粉が必要である。受粉には最低限自家不和合性遺伝子型(S遺伝子型)が異なる必要があり、異なる品種なら何でも良いというわけではない。極僅かだが自家結実する品種もある。一方、酸果桜桃は全ての品種に自家和合性が有る。

一般には「初夏の味覚」であり、サクランボや桜の実は夏の季語であるが、近年では温室栽培により1月初旬の出荷も行われている。正月の初出荷では贈答用として約30粒程度が入った300グラム詰めで3万円から5万円程度で取り引きされ、赤い宝石と呼ばれることがある。

歴史
サクランボは有史以前から食べられていた。桜桃の一種である甘果桜桃(セイヨウミザクラ, Prunus avium)はイラン北部からヨーロッパ西部にかけて野生していた。また別の品種である酸果桜桃(スミミザクラ, Prunus cerasus)の原産地はアジア西部のトルコ辺り。

原産地の推定は、1世紀の古代ローマ博物学プリニウスが著書博物誌に書いた説明に基づく。これによると、古代ローマの執政官ルクッルスが第三次ミトリダテス戦争で黒海南岸のケラソス(Kerasos、現在のトルコギレスン (Giresun) )近くに駐屯した際、サクランボの木を見つけ、ローマに持ち帰ったという。サクランボの木が属するサクラ亜属の学名Cerasusは、ケラソスのラテン語表記である。なお、逆にサクランボにちなんで町の名が付けられた可能性もある。

ただし、イギリスで青銅器時代のサクランボの種が発掘されていることから、19世紀のスイスの植物学者アルフォンス・ド・カンドル (en) は、ルクッルスがコーカサスから持ち帰ったのは、セイヨウミザクラの一栽培品種だったとの仮説を述べている。

この二品種は黒海沿岸からヨーロッパ諸国へ伝わり、特にイギリス・フランス・ドイツで普及した。名称がノルマン人によってシェリーズ (cherise) となり、イングランドに渡ってシェリー (chery) となり、英語のcherryになったといわれている。16世紀ごろから本格的に栽培されるようになり、17世紀にはアメリカ大陸に伝えられた。

一方、中国には昔から華北・華中を中心に、支那桜桃(シナノミザクラ, Prunus pseudocerasus)・唐実桜(カラミザクラ)がある。口に含んで食べることから一名を含桃といい、漢の時代に編纂された礼記『月令』の仲夏(旧暦5月)の条に「是月也,天子乃以雛嘗黍,羞以含桃,先薦寢廟」との記述がある。江戸時代に清から日本に伝えられ、西日本でわずかに栽培されている。これは、材が家具、彫刻などに使われる。暖地桜桃とも呼ばれる。「桜桃」という名称は中国から伝えられたものである。

セイヨウミザクラが日本に伝えられたのは明治初期で、ドイツ人のガルトネルによって北海道に植えられたのが始まりだとされる。その後、北海道や東北地方に広がり、各地で改良が重ねられた。

品種
高砂
佐藤錦
ナポレオン
ダイアナブライト

早生種
高砂(たかさご)アメリカ原産。収穫時期は6月中旬。元名はロックポートピカロー。受粉樹として栽培される。ジャボレーフランス原産。酸味が強く糖度が低い。ジャム、果実酒等の加工用。紅さやか紅ゆたか香夏錦正光錦

中生種
佐藤錦(さとうにしき)国内で最も多く生産されている品種。1912年(大正元年)から16年かけ、ナポレオンと黄玉を交配してできた。

名前は交配育成した山形県東根市の佐藤栄助に因んで1928年(昭和3年)に命名された。苗の販売業者が渋る佐藤を押し切り「砂糖のように甘い」という意味も込めて名づけた。
北光天香錦夕紅錦

晩生種
ナポレオンヨーロッパ各国で栽培されている品種。名前はナポレオン・ボナパルトに由来し、彼の死後ベルギー王が命名したという。

収穫時期は6月下旬。佐藤錦の受粉木として一緒に栽培されることが多い。完熟した果実は通好みとされ非常に美味しい。海外ではロイヤル・アンの名称で呼ばれる。紅秀峰(べにしゅうほう)収穫時期は7月上旬。果実は大きく糖度高く豊産性で非常に優秀な品種。紅てまり大将錦

産地
世界
世界の2005年のサクランボ(セイヨウミザクラ)生産量は、1,900キロトンである。その主な生産国と生産割合は次の通り。


順位 生産国 生産量
1 トルコ 260,000 t
2 アメリカ合衆国 250,000 t
3 イラン 224,000 t
20 日本 18,400 t

日本
サクランボの生産地としては山形県が全国の収穫量の7割を占めており(その中でも山形県東根市は生産量日本一)、それに次ぐ青森県山梨県を合わせた上位3県で全国の9割近くを生産している。近年は北海道でも生産が進んでいる。


主な産地
北海道 小樽市余市郡余市町・仁木町)

青森県 南部町

秋田県 湯沢市

山形県 東根市寒河江市天童市南陽市村山市山形市上山市

山梨県 南アルプス市・山梨市


加工品
メロンソーダ(緑と赤の補色)
実は食用に供される。果実から種を取り出すための専用器具も販売されている。

加工品としては、実を砂糖漬け(もしくはシロップ漬け)にして水分を飛ばしたドレンチェリーがある。洋菓子に用いられる。それとは別にDried cherryもある。

缶詰などで販売されるシロップ漬けのものは、メロンソーダ・みつまめ・冷麦などのトッピング、弁当の付け合せにされることがある。

シンボル
県の木 山形県(1982年(昭和57年)3月31日告示)。

市町村の木 北海道余市郡仁木町
山形県寒河江市

市町村の花 山形県東根市

文学 太宰治の命日である6月13日を「桜桃忌」と呼ぶ。

サクランボの1位は年間約49万トンを生産しているトルコ。2位はアメリカ、3位はイランとなっています。日本は21位です。ここでは掲載していませんが、FAOの統計には「サワーチェリー」という項目もあります。これはその名の通り酸っぱいサクランボのことで、生果は日本でほとんど流通していません。生食できないため、主に加工用として利用されています。ちなみにサワーチェリーの生産量1位はロシアです。

大玉サクランボ
アメリカ ワシントン州産 アメリカンチェリー レイニア(RAINIER) は500円玉より大きいサクランボがあります。