みちのくより愛をこめて 0007

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福島県漁連の冷凍冷蔵施設が完成 小名浜漁港

福島県漁連の冷凍冷蔵施設が完成 小名浜漁港

 

 いわき市小名浜漁港に建設が進められていた県漁連の「冷凍冷蔵施設」が完成し23日、同施設内で竣工(しゅんこう)式が行われた。出席者が完成を祝い、水産業の早期復興と発展を願った。


 同施設は5階建てで、建築面積は約4,390平方メートル、敷地面積は約8,240平方メートル。1日に約100トンの魚を凍らせる設備を有し、魚を冷凍保存することで加工業者などに安定した原料供給ができるようになる。同施設は最終点検などを行い、今月内に供用を開始する。


 また、26日には小名浜港1号ふ頭に新しい魚市場と、船で凍らせた魚の荷さばき所が開設する。冷凍冷蔵施設には約2千トンの魚を零下60度で保存できる超低温冷蔵庫があり、冷凍したカツオやマグロの受け入れが可能となる。それにより、消費者のニーズに合わせた刺し身素材の提供も行え、県漁連関係者は県外や国外などへの出荷の幅が広がると期待を寄せる。


 県漁連は東日本大震災津波で沿岸部の多くの漁業設備が被害を受け、平成24年から3施設の開設に取り組んできた。事業は市が公募した「小名浜地域水産業施設復興整備事業」で、総事業費は3施設合わせて約56億円。国と市の助成を受けた。


 竣工式には漁業者や行政機関関係者ら約50人が出席。神事の後、機械の起動式を行った。野崎哲県漁連会長、清水敏男いわき市長ら代表者がボタンを押すとコンベヤー機などが始動した。野崎会長は「施設完成は本県水産業復興に向けて大きな一歩」と話した。清水市長も「完成を一つの起点とし、一丸となって漁業伸展にまい進したい」と語った。