みちのくより愛をこめて 0007

東日本大震災の復興・再生を祈願して東北のニュースや浮世の話題等をお届けしています。

復興・債権進む 福島県松川浦漁港の拠点施設と大船渡魚市場近くに大型倉庫

■進む再建、水揚げ心待ち 福島県松川浦漁港の拠点施設 ~震災から4年3カ月~

 東日本大震災、東京電力福島第一原発事故発生から11日で4年3カ月。本県漁業の中核を担う、相馬市原釜地区の松川浦漁港では、津波で被災した荷さばき施設などの再建工事が急ピッチで進められている。

 市が国の復興交付金を活用し、昨年3月から整備している。魚介類の仕分け、梱包(こんぽう)をする共同集配施設、水揚げした魚介類を競りにかける荷さばき施設などからなる。共同集配施設は試験操業で水揚げが行われている相馬原釜地方卸売市場の北側にあり、6割ほど工事が終わった。9月の完成を目指している。市場の西側に設ける荷さばき施設は鉄骨を組む作業が始まった。来年3月の完成を予定している。

 震災後、県内で最初に始まった相馬双葉漁協による試験操業は今月14日で3年を迎える。対象魚種は64種まで拡大した。

 漁業関係者は水産業の基盤となる施設の早期完成を願っている。

■気仙の冷蔵拠点復旧へ 大船渡魚市場近くに大型倉庫 

  
  大船渡湾冷凍水産加工業協同組合(武田貞一代表理事、16社)の水産物鮮度保持施設の地鎮祭・安全祈願祭は10日、大船渡市大船渡町笹崎の現地で行われた。

保管能力は5300トンで、東日本大震災で被災した旧施設を上回る規模。来年2月末の完成を予定し、気仙地区の冷蔵倉庫機能は震災前の約90%まで復旧する。価格安定、原料確保につながる流通拠点として、水産振興に期待がかかる。


 約30人が出席し、神事で工事の無事を祈った。武田代表理事は「待望の流通、貿易の拠点。組合の機能を充実させていきたい」とあいさつした。

 同施設は鉄筋コンクリート一部鉄骨造り4階建てで、延べ床面積3814平方メートル。マイナス30度で5300トンを保管する。事業費は12億960万円。

 冷蔵倉庫は冷凍魚や加工品を保管し、豊漁の際の価格安定、地元での原料確保につなげる施設。震災前の倉庫は3100トン規模が同市大船渡町下船渡にあったが、今回、同組合の別の倉庫や大船渡魚市場に近い場所に集約する。

 

★大船渡市(おおふなとし)は、岩手県南部の太平洋沿岸地域に所在する都市である。
概要
岩手県陸前高田市や宮城県気仙沼市とともに三陸海岸南部(陸前海岸)の代表的な都市のひとつであり、旧・陸前国気仙郡域に属する。市の一帯は典型的なリアス式海岸となっており、市域は三陸復興国立公園のほぼ中央に含まれている。

主要な産業のひとつは水産業であり、市の沖合いには、「世界三大漁場」ともいわれる北西太平洋海域(三陸漁場)となっている。大船渡港は、岩手県内の最大かつ最重要港湾であり、岩手県内初の外国定期航路として韓国の釜山とも結ばれている。また、市内各地に石灰石鉱山があり、大船渡湾奥には太平洋セメント大船渡工場がある。

2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災では市域に大津波が襲来、各所に甚大な被害が生じた。

東日本大震災

2011年(平成23年)3月11日14時46分18秒、マグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生し、大船渡市は大船渡町と猪川町で震度6弱、盛町で震度5弱を観測した。 さらにこの地震が引き起こした大津波によって市の中心部は壊滅した。

港湾空港技術研究所の調査によれば、津波の最大波高(浸水高)は大船渡港茶屋前地区の商工会議所ビルで9.5mに達した(検潮所の想定を上回る高さであったため、正確な観測値は得られていない)。また、遡上高は綾里湾最奥部にある三陸町綾里の白浜地区で23.6mに達し、大船渡湾側にある大船渡駅北側の大船渡保育園付近でも10.8mを記録した。

市域にある鉄道駅のうちJR大船渡線の細浦駅と大船渡駅は、周辺自治体内の多くの駅同様、駅舎などが流失し、線路も大きな被害を受けた。
3月23日:大船渡市災害復興局の設置。
4月9日:この時点で大船渡市は、人的被害は死者287人・行方不明者230人・避難者6,785人、建物被害は住家全壊約3,500棟、一部損壊床上浸水件数は調査中、床下浸水多数。
4月11日:被災地支援のために商船三井が岩手県の各港に派遣したクルーズ客船「ふじ丸」が、一つ目の目的地である大船渡港に寄港し、大船渡市の避難者を船上サービスで支援した。

同船はその後、大船渡港に3日間、釜石港に2日間、宮古港に2日間停泊し、それぞれ1,786人・593人・2,072人、計4,451人の避難者に利用された。

4月14日:GPS(全地球測位システム)を用いた国土地理院の調査の結果、岩手県・宮城県・福島県の広範な沿岸地域において、この地殻変動による著しい地盤沈下があったことが明らかとなった。特に岩手・宮城両県境付近の変動量は大きく、最大は牡鹿半島の-120cm、陸前高田市小友町西の坊が-84cmで市街地中最大、石巻市が-78cm、気仙沼市が-76cm、そして大船渡市は-73cmであった。
5月12日:大船渡市復興計画策定委員会の設置。
6月1日:この時点で、人的被害は死者320人・行方不明者140人、建物被害は住家全半壊3,629棟、一部損壊床上浸水件数は調査中、床下浸水多数。
6月2日:市は、将来的にも危険性が高いとの判断から、津波被害が大きかった浸水地域に建築制限をかける方針を公示する