みちのくより愛をこめて 0007

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東日本大震災の津波で不通となっているJR常磐線の相馬―浜吉田間をJR東日本がが来年秋にも再開通させる方向

東日本大震災の津波で不通となっているJR常磐線の相馬(相馬市)―浜吉田(宮城県亘理町)間について、JR東日本が2017(平成29)年春を目標とする運転再開の時期を半年程度前倒しし、来年秋にも再開通させる方向で調整に入ったことが7日、複数の関係者への取材で分かった。

 

相馬地方と仙台圏を結ぶ公共交通の再開が早まることで、相馬地方の雇用や就職、進学など選択の幅が広がると期待される。


 関係者によると、線路を内陸部に移す移設区間の用地買収が順調に進んだことなどにより、17年春の目標を前倒しできる見通しとなった。JRは工事を終えた後に試運転を行い、線路などに問題なければ再開通させる方針。運転再開はずれ込む可能性があるが、16年中には再開したい考えだ。

 相馬駅以北の不通区間22.6キロのうち、JRは県内の相馬―駒ケ嶺(新地町)間の線路を現在地で復旧する。また、駒ケ嶺―新地間から宮城県境までの一部区間約2.5キロは内陸部に移す計画。駒ケ嶺―浜吉田間については昨年5月から本格的な復旧工事に着手していた。


常磐線


概要


起終点
起点:日暮里駅
終点:岩沼駅

駅数80駅

運営

開業
1889年1月16日

 

運営者
東日本旅客鉄道(全線 第1種鉄道事業者)
日本貨物鉄道(日暮里 - 三河島間を除く全線 第2種鉄道事業者)

使用車両
運行車両を参照

路線諸元


路線総延長
343.1 km (213.2 mi) (日暮里 - 岩沼間)
5.7 km (3.5 mi) (三河島 - 隅田川 - 南千住間)
1.6 km (1 mi) (三河島 - 田端間)

軌間
1,067 mm (3 ft 6 in)

電化
直流1,500 V(日暮里 - 取手間),
交流20,000 V・50Hz(藤代 - 岩沼間),
いずれも架空電車線方式

運行速度
最高130km/h


常磐線(じょうばんせん)は、東京都荒川区の日暮里駅から千葉県北西部、茨城県、福島県の太平洋側を経由して宮城県岩沼市の岩沼駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。

列車運行上の常磐線は、東北本線区間である上野駅 - 日暮里駅および岩沼駅 - 仙台駅間を含めた、東京都台東区の上野駅から宮城県仙台市青葉区の仙台駅までである。

また、通常運転系統上の「常磐線」は、中距離列車や特急列車などの列車系統のみを指し、取手駅以南の複々線区間を運転する電車系統の快速電車・各駅停車とは区別される。本記事での運転系統としての記述は主に前者について取り上げる。

特急・中距離列車と快速電車は、一部が上野東京ラインを経由して東海道本線(以下、特に必要がない限り東海道線と記す)品川駅まで乗り入れる。なお、本記事では上野駅 - 東京駅 - 品川駅間について、常磐線内に方向に合わせて品川行きを「上り」、品川発を「下り」と記述する。上野東京ラインの運行が開始された2015年3月14日のダイヤ改正以降は、品川駅から仙台駅間を常磐線と称する場合もある。

2011年に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による被害と、それに起因した福島第一原子力発電所事故による帰還困難区域(事故発生当初は警戒区域)設定のため、竜田駅 - 原ノ町駅間および相馬駅 - 浜吉田駅間が運行休止となっている。相馬駅 - 浜吉田駅間では2017年春の運行再開を目処に復旧工事が行われている。

東京から仙台までを、水戸・いわき・相馬など太平洋沿岸地域を経由して結ぶ路線である。

首都圏と沿線各都市を結ぶ特急列車や、日本貨物鉄道(JR貨物)による貨物列車が運行されている。また首都圏側では東京への通勤輸送の役割も担う。綾瀬駅 - 取手駅間は急行線(快速線)と緩行線の線路別複々線となっており、緩急分離運転を実施している。

全線が電化されているが、茨城県石岡市柿岡にある「気象庁地磁気観測所」への影響を考慮して、上野駅から取手駅までは直流、藤代駅より北はすべて交流でそれぞれ電化され、取手駅と藤代駅の間にデッドセクションが設けられている。

名称の由来

名称については、令制国の常陸(ひたち)と磐城(いわき)の頭文字を合わせたものである(常磐自動車道も同様)。なお、磐城国は明治令制国(戊辰戦争後の令制国)である。

この経緯に由来して、茨城県と福島県浜通りの県境に当たる勿来近辺(北茨城市からいわき市の南半分)は「常磐地区」と呼ばれることもある。
また、1954年から1966年のいわき市成立までは、湯本温泉周辺を中心とする常磐市(じょうばんし)が存在していた。また、水戸市では常磐町・常磐大学・常磐神社といった、同じ字で「ときわ」と読む地名や施設なども存在する。「ときわ」は、常磐線でもかつて急行列車の愛称として使用され、特急「ひたち」への統一後も茨城県北部から福島県浜通りの沿線の観光キャンペーンや茨城県内に有効なフリーきっぷの名称として「ときわ路」が使用されている。なお、列車愛称の「ときわ」は2015年3月14日のダイヤ改正で特急列車として復活するが、大半は以前の急行同様茨城県内発着の列車となる。

常磐線の旧国名と駅の関係は次の通りである。
常陸:茨城県・佐貫駅 - 同・大津港駅 (133.2km)
磐城:福島県・勿来駅 - 宮城県・逢隈駅 (154.6km)

●年表
2011年(平成23年) 3月11日:東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により全線が不通、一部区間で壊滅的な被害を受ける。
3月12日:日暮里・綾瀬 - 取手間で快速電車・各駅停車が運転再開。
3月18日:取手 - 土浦間が復旧。
3月31日:土浦 - 勝田間が復旧。
4月7日:勝田 - 高萩間が復旧。
4月11日:高萩 - いわき間が復旧。
4月12日:亘理 - 岩沼間が復旧。
4月17日:いわき - 四ツ倉間が復旧。
5月14日:四ツ倉 - 久ノ浜間が復旧。
5月23日:相馬駅 - 亘理駅間で代行バスの運行を開始。列車との乗り換えはこの両駅に限られる。
10月10日:久ノ浜 - 広野間が復旧。
12月21日:原ノ町 - 相馬間が復旧。

2012年(平成24年)3月17日:特急にE657系導入。特急「スーパーひたち」15往復のうち10往復、「フレッシュひたち」上下41本中9本でE657系を使用する。「スーパーひたち」の運行区間からいわき - 仙台間が外され、全特急列車が上野 - いわき間の運転になる。普通列車に一部のE721系を置き換えて719系を運用開始。
2013年(平成25年)3月16日:浜吉田 - 亘理間が復旧。特急「スーパーひたち」「フレッシュひたち」の全列車をE657系に置き換え。
2014年(平成26年) 4月1日:原ノ町- 岩沼間が新設の仙台近郊区間となる。
6月1日:広野 - 竜田間が復旧。

2015年(平成27年) 1月31日:竜田 - 原ノ町間で途中ノンストップの代行バスを運行開始。
3月14日:上野東京ラインが開業し、一部の特急と快速が品川駅まで乗り入れ開始。特急「スーパーひたち」を「ひたち」に、「フレッシュひたち」を「ときわ」に改称。

2016年(平成28年)春まで:小高 - 原ノ町間が復旧予定。
2017年(平成29年) 3月まで:浪江 - 小高間が復旧予定。
春頃:相馬 - 浜吉田間が復旧予定。

2018年(平成30年)3月まで:竜田 - 富岡間が復旧予定。

東日本大震災の影響

2011年3月11日の午後に東北地方太平洋沖地震(東日本大震災の本震)が発生し、沿線では広範囲で震度5弱から6強の揺れを記録したため当日全線で運転を見合わせた。

また茨城県から宮城県にかけては線路に支障が発生したほか、沿岸ではこの地震による津波の影響を受け福島県・宮城県の一部区間が壊滅的な被害を受けたため、取手駅以北の区間においては翌日以降も不通となった。常磐線の列車も新地駅で普通244M(E721系P-1編成+P-19編成)が、浜吉田 - 山下間で貨物92列車(ED75 1039+コンテナ車)がそれぞれ津波の直撃によって脱線・大破している。

不通区間の復旧と現状

2011年5月14日までに上野 - 日暮里 - 久ノ浜間、亘理 - 岩沼 - 仙台間で列車の運行を再開し、津波の被害が比較的少なかった久ノ浜 - 広野間は広野駅への仮設ホームを設置した上で同年10月10日に運行を再開した。
また、同じく津波の被害が比較的少なかった原ノ町 - 相馬間では同年12月21日に運行を再開した。運行再開の時点では徐行運転とし、2012年1月10日からは本来の速度で運転している。原ノ町 - 相馬間で留置されている車両では運用が困難であるため、701系3編成6両を陸送で搬入して使用している。2013年3月16日には浜吉田 - 亘理間、2014年6月1日には広野 - 竜田間の運行を再開した