みちのくより愛をこめて 0007

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山形県鶴岡市の善宝寺に液体の被害 東北で初

<油被害>鶴岡・善宝寺で東北初

 

 28日午後1時45分ごろ、鶴岡市下川の善宝寺から、本堂など六つの建物に液体によるとみられる染みが付いていると、鶴岡署に届け出があった。同署は建造物損壊の疑いで調べ、染みの成分分析などを進める。


 善宝寺によると、染みが確認されたのは竜王殿、五十塔、三十三観音堂などの扉や床、階段。大きさは最大10センチほど。参拝客が見つけ、寺に知らせた。


 僧侶で責任役員の帯谷明義さんは「大勢の方が純粋な気持ちで参拝に訪れる場所で、非常にやるせない思いだ」と話した。


 善宝寺は天慶・天暦年間(938~957年)の創建とされる。竜神が祭られ、航海安全、五穀豊穣(ほうじょう)などで信仰を集める。

 

★善宝寺

善寳寺(ぜんぽうじ)は、山形県鶴岡市にある曹洞宗の寺院。山号は龍澤山(りゅうたくさん)。本尊は薬師如来。妙厳寺、最乗寺と並ぶ曹洞宗三大祈祷所。


所在地
山形県鶴岡市下川字関根100

位置
北緯38度46分21.62秒
 東経139度46分02.33秒

山号
龍澤山

宗旨
曹洞宗

本尊
薬師如来

正式名
龍澤山善寳寺

文化財
王昭君図(菱田春草筆、国の重要文化財)


歴史
平安時代の天慶から天暦年間(938年~957年)頃、天台宗の妙達によって草庵が結ばれ、龍華寺と呼んだものを始まりとする。鎌倉時代の延慶年間(1308年-1311年)、総持寺二世峨山紹碩が龍華寺跡で教化を垂れる。

室町時代の永享年間(1429年-1441年)、紹碩の七世法孫、曹洞宗の僧・太年浄椿がその遺志を継ぎ諸堂を復興し、寺号を善寳寺と改めた。

姿を顕した二龍神(竜宮竜道大竜王、戒道大竜女)が寺号を授け、寺内の貝喰池に身を隠したという伝承が残り、龍神信仰の寺として航海安全や大漁を祈願する漁業関係者などから信仰を集めた。

天保4年(1833年)に再建された龍王殿や安政2年(1855年)に寄進された五百羅漢堂、文久2年(1862年)に再建された山門、1883年(明治16年)に建立された五重塔などの諸堂のほか、菱田春草「王昭君の図」(国の重要文化財)などを保有する。

1982年には、鶴岡高専教授の斉藤信義が住職に就任した。

また、1990年(平成2年)頃には、貝喰池のコイが「人面魚」として耳目を集めた。

文化財
重要文化財(国指定)
絹本著色王昭君図 菱田春草筆
明治時代の日本画家菱田春草の代表作。1902年(明治35年)第12回絵画共進会(日本絵画協会・日本美術院連合絵画共進会)に出品し、銀牌第1席を得た作品。中国前漢時代の王昭君の故事を題材にしている。東京美術学校の職を追われた岡倉天心の姿を王昭君に重ね合わせているとの見方もある。致道博物館に寄託。