みちのくより愛をこめて 0007

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福島県飯舘村 かつての村の光景の写真や動画を閲覧できるデジタルアーカイブサイトを5月中にも開設


歴史と今 帰れぬ古里をネットで共有・飯舘村
 
 東京電力福島第1原発事故で全村避難する福島県飯舘村は、かつての村の光景や避難後の村民の様子などを記録した写真や動画を閲覧できるデジタルアーカイブサイトを5月中にも開設する。懐かしい風景や避難生活の現状を共有することで、離散して暮らす村民たちの心をつなごうとの思いを込めて企画した。

 

 サイトには、村に長く伝わる田植え踊りなど原発事故前の風習や、事故後の無人の村で進む除染作業、避難先の学校の運動会の様子などを収めた写真を2000枚以上、動画を100本以上保存する予定。


 昭和20年代の写真もある。老朽化で建て替えられる公民館の資料や、村の広報担当職員らが撮影した写真や動画を通じて、村の歴史をたどれる。


 村のホームページから接続し、年代別で検索したり、「暮らし・まち・風景」「東日本大震災」などのカテゴリー別で調べたりすることが可能だ。写真をクリックするだけで、撮影日時や場所などを表示し、高齢者でも簡単に操作できるように工夫した。


 2017年春にも村中心部に設けられる道の駅「までい館」に、大画面のタッチパネルを設置する計画もある。いずれは村外の人々にも村の歴史を発信したい意向だ。


 村の担当者は「住民の心のよりどころになってほしいと思い計画した。厳しい避難生活を送る中で、少しでも古里を思い出す時間を持ってもらえればうれしい」と話している。

 

★飯舘村(いいたてむら)は、福島県浜通りの北西部に位置し、相馬郡に属する村。


面積
230.13 km²
 

総人口
5,902人
 (推計人口、2015年2月1日)

人口密度
25.6人/km²

概要
福島県の浜通り及び相双地域に区分されている。福島県中通りと浜通りを分かつ阿武隈高地東側の中腹に位置することから、同じ相双地域の南相馬市側にも阿武隈高地西側の福島市側にも経済的結びつきが見られる。

特に南相馬市とは密接な関係にある。広域行政を共にしていたり、南相馬市新設合併時には合併協議に参加していたりなどが挙げられる。

●東日本大震災
2011年(平成23年)3月11日14時46分18秒、マグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生し、飯舘村は震度6弱(観測地点:伊丹沢地区)を記録した。


 地震動そのものによる被害は他地域との比較の上で極めて軽微であったが、地震とそれに伴う津波によって引き起こされた福島第一原子力発電所事故(東京電力)の影響は深刻なものとなった。

 

飯舘村はその全域が、放射線量が年間積算20ミリシーベルトに達するおそれがあるとする「計画的避難区域」(1カ月以内を目安として住民全員の避難が指示される区域。より深刻な「警戒区域」の外側)に指定され、土壌からは放射性物質の検出が続いている。

 

2011年4月10日 - この時点で判明した人的被害は死者1人・行方不明者0人。
4月11日 - 原子力事故の影響により、福島第一原子力発電所から20km圏外にある福島県内5市町村(飯舘村・浪江町・葛尾村の全域、および、川俣町と南相馬市の一部地域。対象は約3,000世帯・約10,000人)が、計画的避難区域に指定される。

5月15日 - 政府指定の計画的避難区域で計画的避難が開始され、初日は飯舘村民および川俣町民の、乳幼児がいる18世帯・113人が区域外へ移動した(飯舘村民の移動先は福島市)。

なお、計画的避難区域の全住民のうち、5,000人前後(飯舘村では対象となる約1,700世帯・約6,177人の3割ほど)はすでに自主的避難をしている。
5月26日 - この時点で判明した人的被害は死者1人・行方不明者0人・重症者0人・軽症者1人、建物被害は無し。
6月1日 - 飯舘村役場が福島市役所飯野支所(所在地:福島市飯野町字後川10-2)に職員を先行配置し、役場機能の全面的移転に向けての準備に入る。
6月22日 - 全村民の約9割が避難を終えるなか、飯舘村役場の福島市への移転が完了し、福島市役所飯野支所で「飯舘村役場飯野出張所」が開所する。

福島市に移った飯舘村避難住民はこの時点で約4,000人に上る。
一方で、飯舘村には約200人が避難せずに残っていると見られ、8つの会社と特別養護老人ホーム1施設が事業の継続を認められている。


6月22日 - 飯舘村長が計画的避難区域指定の再検討を政府に要請(放射線量の低下が見られる地域での指定の解除と、依然として線量の高い地域をピンポイントで指定し直す意味で「特定避難勧奨地点」[現時点では既存区域外が指定対象範囲となっている]への移行を訴える)。
2012年6月15日 - 政府原子力災害対策本部が飯舘村内の計画的避難区域を見直し、年間積算放射線量を基準に避難指示解除準備区域・居住制限区域・帰還困難区域の設定を発表。

 

避難指示解除準備区域(年間20ミリシーベルト以下) - 八木沢・芦原・大倉・佐須・二枚橋・須萱
居住制限区域(年間20ミリシーベルト超・50ミリシーベルト以下) - 上記各地区と長泥以外の全域
帰還困難区域(年間50ミリシーベルト超) - 長泥

7月17日 - この日の午前0時を以て避難指示解除準備区域・居住制限区域・帰還困難区域の運用を開始。

観光
山津見神社 - 永承6年(1051年)の創建。祭神はオオヤマツミ(大山津見神)。
虎捕山の麓、佐須字虎捕に所在する。
深谷行政区村民の森 あいの沢 - 深谷字市沢に所在
飯樋町行政区大雷神社 - 飯樋地区の鎮守社で3年に1度、式年大祭が行われる。
上飯樋行政区花塚山 - 円仁(慈覚大師)が山頂で修行したと伝えられる
岩部ダム - 花塚山中腹にある灌漑用アースダム(所在地:飯樋地区)。冬はワカサギ釣り、他シーズンではヘラブナ(ゲンゴロウブナ)、コイ、ブラックバスなどの釣り客で賑わう。

著名人
国広あづさ(漫画家)