みちのくより愛をこめて 0007

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復興庁 政府案 被災3県の負担総額は300億円弱になる見通し

復興の負担:被災3県300億円 最大3.3%…政府案

  
 復興庁は3日、2016〜20年度の東日本大震災からの復興事業の自治体負担に関し、道路整備費や地域振興のための事業費などで1.0〜3.3%の負担を求めると発表した。被災3県の負担総額は300億円弱になる見通し。今後、自治体の意見を聞いたうえで、財源も含めた今後5年間の復興事業の枠組みを6月末に最終決定する。
   
   
  
 政府は16年度以降、復興事業費の全額国庫負担を改め、地域振興や将来の災害への備えといった全国共通の課題に対応する事業では地方負担を求める方針を決めている。負担割合は、他県で同様の事業を実施した場合の原則20分の1に軽減する。

 さらに、被災地以外でも必要な事業は復興特別会計から一般会計に移行し、負担軽減をなくす方針だ。東北道より内陸側の道路整備などについては「復興よりも地域振興色が強い」として一般会計から支出すべきだと判断され、他都道府県と同じ負担割合を求められる。

 一方、地方負担のある事業に該当する国直轄道路「三陸沿岸道路」(青森−宮城)などは例外的に全額国費で負担する。このほか、自治体が雇用する任期付き職員など地元の人手不足解消につながる人件費も全額国負担にする方針だ。被災3県の知事や与党内で要望が強かったため、政府側が譲歩した。

 また、交付済みの復興交付金のうち未使用の約2100億円(3県合計)と、15年度中に配分予定の復興交付金約700億円(同)については、事業が16年度以降にずれ込んでも地方負担が生じないようにすることも盛り込んだ。

 地方負担を求めるのは▽道路や新規防潮堤の建設などの社会資本整備総合交付金事業▽観光交流施設の整備などの復興交付金の効果促進事業▽水産加工施設の拡張、新設などの水産基盤整備事業−−など13事業。

 

◆主要な復興関連事業の地方負担割合◆

・復興交付金・効果促進事業             1.0%

(観光交流拠点の整備や農水産物の販路開拓など)

・国が事業主体の道路、港湾整備           1.7%

・社会資本整備総合交付金事業            2.3%

(県が事業主体の東北道より海側の道路など)

・社会資本整備総合交付金事業            2.5%

(新規防潮堤の建設)

・水産加工施設の拡大・新設など水産基盤整備事業   2.5%

・農作物の生産力向上のための農業生産対策交付金事業 2.5%

・ごみ処理施設建設など循環型社会形成推進交付金事業 3.3%

 

■東日本大震災:復興事業、全額国費は50%届かず 県試算、2割が一部地元負担に 宮城県

  
 来年度以降の復興事業に一部地元負担を求める政府方針を受けて、宮城県は21日、県や市町村の来年度から5年間の復興事業(総額2兆5180億円)のうち、従来通りに全額国費負担される事業は半分に満たない1兆2040億円になるとの試算を、県議会に示した。少なくとも約2割に当たる4460億円分の事業で、一部負担を求められる可能性がある。
   
      
 復興庁は復興事業を、
(1)全額国費負担
(2)一部地元負担
(3)全国の自治体と同様の扱い
(4)廃止−−に分け、対象とする事業分類を公表している。県はこれに基づき、県内の事業を仕分けした。

 県が示した資料によると、
(1)は集落高台移転などで使う復興交付金の基幹事業などで1兆2040億円(総額の47・8%)。
(2)は基幹事業と関連が強い復興交付金の効果促進事業などで3070億円(同12・2%)。
(3)は市町村もハード整備などで活用している社会資本整備総合交付金などの1340億円(同5・3%)。
(4)は緊急雇用創出事業などの50億円(同0・2%)。

 また、分類の判断がつかない事業が1090億円(同4・3%)あるほか、従来から自治体が単独で実施している事業が7580億円(同30・1%)ある。

 県の担当者は「この試算通りに負担を求められれば影響が大きいと分かる。負担割合が分からないと、事業を続けられるかどうかも見えてこない」と話している。