みちのくより愛をこめて 0007

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福島高スーパーサイエンス部が英国の学術専門誌「ジャーナル・オブ・レディオロジカル・プロテクション」に『被ばく線量について「ほとんど差はない」』と論文を投稿し、掲載予定

福島県など国内とフランス、ポーランド、ベラルーシ各国の高校生の外部被ばく線量を比較研究してきた福島高スーパーサイエンス部は、被ばく線量について「ほとんど差はない」と結論づけ、論文にまとめた。論文は27日、英国の学術専門誌「ジャーナル・オブ・レディオロジカル・プロテクション」に掲載される。

 研究は、線量計の名前から「D―シャトルプロジェクト」と名付け、26校の生徒と教員211人を対象に昨年6~12月に実施。1時間ごとの外部被ばく量を計測できる線量計を2週間持ってもらい、集めたデータを比較した。各校とも10人程度が協力、中間に位置した人の値を1年間分に換算して比べた。その結果、本県は年間0.63~0.97ミリシーベルト、本県以外の国内は0.55~0.87ミリシーベルト、海外は0.51~1.10ミリシーベルトだった。

 また、放射線の遮蔽(しゃへい)効果が高いコンクリート製校舎の福島高生は学校での数値が低く自宅の数値が高かったが、放射線を出す花こう岩などが校舎に使用されている恵那高(岐阜)の生徒は学校での数値が高く、自宅が低いなどの傾向がみられたという。数値に大差がなかったことについて「福島は(自然界にもともとある)自然放射線が他の地域より低いため」としている。

 論文は同部の生徒や専門家ら233人の共著として英文で掲載される。同部の生徒が原稿をまとめ、東大大学院の早野龍五教授が翻訳して投稿した。論文の掲載について、同部顧問の原尚志教諭は「高校生の論文が採用されるのは珍しい」としている。

 

★福島県立福島高等学校
 福島県立福島高等学校(ふくしまけんりつ ふくしまこうとうがっこう)は、福島県福島市森合町に本拠を置く県立高等学校。通称「福高(ふくこう)」。

福島県立福島高等学校は1898(明治31)年、福島第一尋常高等小学校内に、福島県第三尋常中学校が開校されました。これが現在の福島高校の最初の姿です。生徒127名で授業が開始されました。その後、明治33年に福島県第三中学校、明治34年に福島県福島中学校、さらに福島県立福島中学校と改称され、昭和23年の新制高等学校発足に伴い現在の福島県立福島高等学校が開設されました。またこの年、通信教育課程が設置されましたが、昭和44年に福島県立福島中央高校として独立し、以来多くの優れた人材を輩出して今日に至っています。

卒業生数は30,000人を超え、日本国内のみならず、海外でも幅広い分野で活躍しています。なお、昭和22年に聴講生として女子が入学し昭和26年から28年にかけての3年間は女子の入学を認めたこともありました。

1998(平成10)年には創立100周年を記念して盛大に記念式典が挙行されました。また、その記念行事として梅苑会館(記念棟と合宿棟)が建設され、様々な活動に利用されています。創立100周年と前後して行われてきた校舎の大規模改修が平成13年度にほぼ終了し、校舎内外の環境が整備され、生き生きとした生徒の活動が見られます。また、2003(平成15)年は創立105周年の年にあたり、県文化センターで記念講演が行われるとともに、環境整備等の記念事業も行われました。

2003(平成15)年4月から男女共学となり、新しい福島高校の歴史がスタートしました。共学化に伴ってすすめてきた更衣室・トイレなどの整備と共に、情報・音楽棟の新築工事や視聴覚教室の整備も完了しました。2006(平成18)年3月には男女共学一期生が卒業しました。共学化から10年が過ぎた今、男女相互に認め合いながら、調和のとれた学校生活を送っています。

2011(平成23)年3月11日の大震災では、第3棟、第4棟が使用できなくなるなど、本校でも大きな被害を受けました。8月からは仮設校舎の使用が始まり、1・2年生はこの仮設校舎で学校生活を送りました。平成26年8月に5階建ての新校舎が完成しました。
 
 ★スーパーサイエンスハイスクールとは文部科学省が科学技術や理科・数学教育を重点的に行う高校を指定する制度のことである。SSHと略記される。2002年(平成14年)度に構造改革特別要求として約7億円の予算が配分され、開始された。

2007年(平成19年)度予算では約14億4443万円、2010年(平成22年)度予算では約20億6500万円、2011年(平成23年)度予算では約24億400万円が配分されており、増額傾向にある。