みちのくより愛をこめて 0007

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福島県葛尾村への避難指示、一部を除き解除 課題残される

 政府は12日、東京電力福島第1原発事故で全域が避難区域の福島県葛尾村への避難指示を、一部を除き解除した。対象は居住制限区域と避難指示解除準備区域の2区域で、居住制限区域の解除は初めて。帰還困難区域はそのまま残る。

 福島県内では来年3月末までに葛尾村以外の4市町村でも解除の動きが具体化しており、順次進む見通し。

 葛尾村では、生活用品や食料品を買える店の再開が間に合わず、常駐の医師がいないなど生活インフラが整っていないことから、すぐに住民の帰還が進むかは不透明だ。


東京電力福島第一原発の事故で、福島県葛尾村の全域に出されていた避難指示が、一部を除いて12日午前0時に解除されました。原発事故に伴う避難指示の解除は4例目で、役場とすべての住民が避難した自治体での解除は、去年9月の楢葉町に続いて2例目です。

今後、帰還困難区域を除くすべての避難指示を来年3月までに相次いで解除し、避難を強いられている約7万人のうち約4万6千人が帰還できるようになる。

 解除の対象は、葛尾村の451世帯1466人(1日現在)のうち、418世帯1347人。除染などで放射線量が問題ないレベルまで下がったとして、帰還困難区域に次いで放射線量が高い場所が指定される「居住制限区域」も避難指示を解除した。同区域が解除されたのは初めて。

 だが、帰還に備えて自宅に泊まる準備宿泊の申し込みは対象の約1割、53世帯126人にとどまっていた。避難先と自宅を行き来する人も多く、避難先を引き払って帰還する人は少ないとみられる。医療機関や日用品や食品を扱う商店は再開しておらず、水田の半分ほどは除染廃棄物の仮置き場になっており、搬出のめどは立っていない。

 

福島県では、原発事故から5年3か月となる今も9つの市町村に避難指示が出され、9万人余りが県内や県外で避難生活を続けています。

このうち全域に避難指示が出され、すべての住民1400人余りが避難していた葛尾村について、政府は国による除染が終わるなど、生活環境がおおむね整ったとして、まだ比較的放射線量が高い一部の「帰還困難区域」を除く大部分の地域で、12日午前0時に避難指示を解除しました。
原発事故に伴う避難指示の解除は、田村市都路地区と川内村東部の一部地域、それに去年9月の楢葉町に続いて、4例目です。役場とすべての住民が避難した自治体での解除は、楢葉町に続いて2例目です。
村が去年10月から11月にかけて行った調査では、回答した世帯のうち48%が、避難指示の解除後には世帯の全員や一部が「村に戻りたい」と答えています。村は、放射線の不安の解消のほか、医療や買い物などの生活環境の整備を進め、住民が安心して村に戻れる取り組みに力を入れることにしています。

葛尾村では12日朝、時折、村の中を車が走る様子や、住民が自宅で庭の手入れをする様子などが見られました。
葛尾村中心部の落合地区に住む松本秀俊さん(66)は「避難指示の解除で、希望する人が村に戻ることができるようになるので、一気に復興が進んでくれることを期待しています。ただ、放射線量が高く、避難指示が解除されない地域が一部残り、村のすべての解除にはなっていないのが残念です」と話していました。


福島県内の避難指示解除の現状は

葛尾村の避難指示解除は、役場とすべての住民が避難した自治体としては、去年9月の楢葉町に続いて2例目ですが、医療や買い物など生活環境をどう整備して住民の帰還を進めるかが今後の課題となります。

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、福島県内では多いときで11の自治体に避難指示が出されていましたが、おととし4月に田村市都路地区で初めて解除されたのに続き、おととし10月には川内村の一部の地区で解除されました。さらに、去年9月には人口7300人余りの楢葉町で、役場とすべての住民が避難していた自治体としては初めて解除されました。
人口1400人余りの葛尾村の解除は、すべての住民が避難した自治体としては2例目です。葛尾村は、住民の半数余りが仮の役場を置いていた三春町に避難していて、村は仮設住宅の部屋を住んでいた地区ごとにまとめるなど、住民のつながりを維持しようと取り組んできました。
村が去年10月から11月にかけて行ったアンケートでは、「村に戻りたい」と答えた世帯が全体の48%でした。一方で、「戻らない」や「判断できない」と答えた世帯の多くが、医療環境や放射線量などへの不安を理由に挙げています。
山間部にある葛尾村には、解除の時点で医師はおらず、買い物ができる商店も再開していないなど、住民の生活環境の整備が求められます。
政府は、放射線量が比較的高い「帰還困難区域」を除いて、避難指示を来年3月までに解除するとした指針を閣議決定していて、来月には南相馬市で解除が予定されています。
避難指示の解除は進んでいますが、福島県では今も9万人余りが避難を続けていて、震災と原発事故から5年3か月がたつ今も、住民の生活の再建には多くの課題が残されています。


★葛尾村(かつらおむら)は、福島県浜通りにある山村。双葉郡に属する。

2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所事故の影響により、村内全域が警戒区域又は計画的避難区域に指定されており[1]、全村民が村外に避難しているが、(2013年3月22日に避難指示解除準備区域・居住制限区域・帰還困難区域に再編された)帰還困難区域を除き2016年6月12日をメドに避難指示を解除する予定。

仮役場を会津坂下町に設置していたが[2]、6月15日から三春町に移転した。
村内の各住宅にはテレビ電話などのブロードバンドインターネット接続回線が引かれ、医師の往診などがテレビ電話で行われている。

2010年3月、村主体で情報通信の整備が完了し、村内全世帯に地上デジタルテレビ放送視聴機器が設置され、また希望世帯は超高速インターネットが利用可能となった。

この設備は難視聴地域である葛尾村の環境を鑑みて、村が村内全世帯に光ケーブルを敷設、それを利用して情報送信、地上デジタル波再送信を行い、市街地と格差が無い情報通信を行うものである。また、村内の電話は無料で、希望者は光電話加入により、従前の電話料金より安くサービスを受けられるようになった。
過疎が進み、現在の高齢者率は31%を超えている。村内にはこれといった産業がなく、人口流出が加速している。

過去、村内における交通死亡事故ゼロ13,261日を達成している。これは、記録が残っている単独の自治体としては国内最長である。


面積84.37 km²

総人口18人 (推計人口、2016年2月1日)

人口密度0.21人/km²

隣接自治体 田村市、二本松市、双葉郡浪江町

村の木 赤松

村の花 ツツジ

村の鳥キジ

地理 阿武隈高地の中にある村。標高500メートル以上の比較的高地である。

自然
山:日山、竜子山、中ノ森山、手倉山
河川:葛尾川

隣接する市町村
田村市
二本松市
双葉郡浪江町