みちのくより愛をこめて 0007

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タイの日系企業の社員約280人が、インセンティブツアー(報奨旅行)で東北を訪れる

観光復興へ仙台市誘致 タイから280人
  
 タイの日系企業の社員約280人が、インセンティブツアー(報奨旅行)で東北を訪れる。東日本大震災後に落ち込んだ外国人旅行客数を回復させようと、仙台市などが誘致を実現した。一行は3グループに分かれて31日から順次東北入りし、宮城、岩手、山形の観光地を巡る予定。関係者は「ぜひ旅行を楽しんでもらい、海外から東北を訪れる企業旅行の呼び水になってほしい」と期待している。

 参加するのは日野自動車(東京)のタイ販売子会社の営業販売員で、第1陣70人(31日~6月4日)、第2陣104人(7~11日)、第3陣105人(14~18日)。仙台市内に3泊し、延べ宿泊数は約840泊に上る。市によると「インセンティブツアーとしては過去最大規模」という。
 初日は宮城の松島、2日目は世界文化遺産の平泉と東日本大震災で被災し移転した陸前高田市のキャピタルホテル1000などを訪れる。3日目は寒河江市のさくらんぼ狩りや尾花沢市の銀山温泉の散策を楽しみ、4日目に東京に向かう。
 今回のツアーが実現した背景には、仙台市がタイの日系企業を対象にセミナーなどを開き、東北を売り込んだことがある。中心を担ったのが、2014年にバンコクに設置した「仙台-タイ経済交流サポートデスク」だった。また、東北観光推進機構は三井物産東北支社の協力を得て、同社の取引先だった販売子会社に働き掛けるなどした。
 伊藤敬幹副市長は「タイのように日本旅行がブームになりつつある国で報奨旅行の誘致を強化すれば、効果的に旅行者数を増やすことができる。海外拠点の活動などを通し、仙台と海外の交流人口を拡大させたい」と話す。
 観光庁の統計によると、東北の外国人延べ宿泊数は震災前の2010年が約50万5400人(確定値)だったのに対し、14年は約40万2600人(速報値)と8割弱にとどまっている。