みちのくより愛をこめて 0007

東日本大震災の復興・再生を祈願して東北のニュースや浮世の話題等をお届けしています。

ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている青森県八戸市鮫町の蕪島神社が5日未明に全焼

5日未明に全焼した八戸市の蕪島神社には朝から市民がひっきりなしに訪れ、変わり果てた姿を見て「信じられない」と肩を落とした。年間約10万人が訪れる観光地でもあり、関係者は早期再建に向けて動きだした。

 神社は文化財ではないもののウミネコ繁殖地の真ん中に立ち、観光のシンボル的存在だった。弁財天を祭り、漁業の守り神として特に浜の人々から大切にされてきた。
 八戸署の実況見分で、5日は立ち入りが終日禁止された。様子を見に来た市内の主婦は「行事の手伝いなどで毎月よく訪れていた。船の安全をすがる場であり、心のよりどころだったのに…」とため息をついた。

 ウミネコの繁殖期は3~7月で、火事の影響はないとみられる。一方で、蕪島は種差海岸などと共に三陸復興国立公園の北の玄関口に位置付けられており、神社の焼失は観光面で大きな痛手になる。

 蕪島の観光拠点化を進める小林真市長は「北海道新幹線の開業を来年3月に控え、三陸復興国立公園をPRしようと考えていた。再建に向けて支援したい」と語った。
 神社は7日、市内で総代会を開き、今後の方針を話し合う。宮司の野沢俊雄さん(65)は悔しさをにじませながら「ご神体を含め全て燃えてしまった。残念だ。プレハブでもいいから再建を進めたい」と話した。

■5日午前4時20分ごろ、青森県八戸市鮫町の蕪島神社から出火、木造平屋の社殿や社務所など約280平方メートルが全焼した。ウミネコ繁殖地として国の天然記念物に指定されている蕪島の頂上にあり、市を代表する観光名所として知られていた。

 八戸署などによると、午前4時25分に警備会社から火災感知器が作動したと通報があり、火は約5時間後の午前9時15分ごろに消し止められた。けが人はなかった。建物内に火の気はなかったという。
.

 付近では使われていないビル内で3日早朝、ごみが燃える不審火があったことから、同署は関連を含めて出火原因を調べている。
.

 神社は来年で創建720年の歴史を持ち、漁の安全を祈願する漁業者をはじめ地元の多くの人に親しまれていた。宮司の野沢俊雄さん(65)は「参った。夜間は無人で、発光ダイオードのぼんぼりの明かりがついているだけだった。本当に残念」と肩を落とした。

■5日朝早く、ウミネコの繁殖地として知られる青森県八戸市の蕪島で、神社の社が全焼しました。けが人はいませんでした。

5日午前4時半ごろ、青森県八戸市鮫町の蕪島にある蕪嶋神社で火災報知器が作動し、消防車15台が出て消火活動に当たりました。

火はおよそ5時間後に消し止められましたが、拝殿と本殿、それに社務所が入った木造平屋建ての社、合わせて280平方メートルが全焼しました。この火事によるけが人はいませんでした。警察によりますと、蕪嶋神社は夜間、人がいないうえ、ふだん火の気はないということで、警察と消防は現場検証をして火事の原因を調べています。
蕪島はウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定され、毎年、大勢の観光客が訪れています。蕪嶋神社は、その象徴的存在として親しまれているほか、蕪島の「蕪」の字と株取り引きの「株」をかけて株が上がる神社としても人気となっていました。
火事を知って現場を訪れた48歳の男性は「八戸の宝である蕪嶋神社が、このような姿になり、残念でしかたがありません。今後、神社の再建に少しでも、お手伝いできればと思います」と話していました。

☆彡蕪嶋神社は社伝によれば永仁4年(1269年)に厳島神社を勧進したのがはじまりだという。祭神は宗像三女神、多紀理毘売命、市寸嶋比売命、多岐都比売命で「蕪嶋の弁天様」として信仰を集めてきた。弁財天は商売繁盛や子授けにご利益があるとされているが、漁業の守り神でもある。2015年11月5日未明、不審火により全焼した。

境内には柳原白蓮の短歌が刻まれたウミネコ供養碑がある。

蕪嶋神社付近では、毎年4月の第3日曜日に蕪島まつりがある。


☆彡蕪島(かぶしま)は、青森県八戸市鮫町にある島。ウミネコ繁殖地として、国の天然記念物に指定されている。また、2013年5月に三陸復興国立公園に指定されている。

「島」と呼ばれているが、内務省と海軍省の委託工事として1942年(昭和17年)に旧海軍により2年がかりの埋め立て工事が行われ、本土と陸続きとなった。