福島県会津若松市と16町村で15日「お盆成人式」
古里で“旧友と再会” 福島県内16町村で「お盆成人式」
会津を中心とした県内16町村と会津若松市の一部で15日、お盆の成人式が行われ、新成人たちが旧友との再会を喜び合った。浜通り唯一の夏の式となった川内村では、12人が古里復興への思いを新たにした。
「多くの人を支える存在となり、生まれ育った村のために貢献したい」。川内村で行われた成人式で新成人の代表が誓いの言葉を述べた。
新成人の一人は 東日本大震災が起きた日は中学校の卒業式。
学びやを後にした直後、巨大な揺れに襲われた。東京電力福島第1原発事故で村は全村避難となり、家族と共に福島市に避難。
厳しい生活も新成人となった今は、「素晴らしい仲間と出会い、心身ともに成長できた」と振り返る余裕ができた。
式では、震災で渡せなかった卒業記念のサイン入りボールを同級生と一緒に恩師に手渡した。
両親は福島市で暮らしているため村に戻ることは少なくなった。それでも「緑にあふれる村の風景を見ると安心する。やっぱり古里は川内なんだ」と思う。
古里は今も一部に原発事故の避難区域が残り、復興は道半ば。住民帰還も約6割と十分には進んでいない。「福島や川内のために何かできればいいな」。新成人になった今、漠然とそんな思いを抱く。